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網膜色素変性症（もうまくしきそへんせいしょう）

光を感知する、目の中のカメラのフィルムの役割をする網膜の中の色素上皮に異常な色素が沈着

し、光の明るさを感じとるかん体細胞が障害を受ける遺伝性、進行性の病気です。

詳しい原因はわかりません。
　

網膜は光を神経の信号に変える働きをして、視神経から脳へ伝達されて光を感じることができます。

網膜色素変性症ではこの中の視細胞という細胞が最初に障害されます。

視細胞は目に入る光に最初に反応して光の刺激を神経伝達に変える働きをします。

視細胞には網膜の中心部以外に多い、かん体細胞があり、暗いところでの見え方や視野の広さなど

の働きをします。

もう１つ錐体細胞が、網膜の中心部の黄斑にあり、中心の視力や色覚などに関係しています。

網膜色素変性症は、かん体細胞が主に障害されることが多く、最初に暗いところで物が見えにくく

なったり、視野が狭くなったりするような症状を起こし、病気の進行とともに視力が低下してきます。

現在のところ、有効な治療法は確立されていませんが、遺伝子レベルでの研究が行われています。


網膜色素変性症の症状　

・夜盲、視野狭窄、視力低下

・若い時から発症します。

・明るい所から急に暗い所に入ると、その暗さに対応できず、夜も物の見分けがつきにくい。

・視野が周辺から中心に向かって徐々に欠けていきます（求心性視野狭窄）。

・それに伴い視力も徐々に低下していきます。

・進行がゆっくりなので自覚するのは30～40歳くらいに多い。

・視神経も萎縮しますが、完全失明することはほとんどありません。


網膜色素変性症の原因

視細胞、視細胞に密着した網膜色素上皮細胞に働く遺伝子の異常によって起こるとされています。

しかし、あきらかに原因となる遺伝子がわかっているのは患者さん全体のごく一部で、

大部分の患者さんではいまだ原因遺伝子は不明です。

網膜色素変性症の頻度は通常4,000人から8,000人に一人と言われています。

 　


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